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(天声人語)「リマ症候群」から20年 2017年4月22日
作者: 发表时间:2017-12-12 浏览:646

 (天声人語)「リマ症候群」から20年

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 米小説家アン?パチェットに『ベル?カント』という作品がある。南米のある国の副大統領官邸でゲリラが日本人らを人質に立てこもる。人質解放交渉はもつれる。その間にゲリラと人質は心を通わせ、恋も生まれる▼物語は南米ペルーの首都リマで起きた日本大使公邸事件に想を得て書かれた。4カ月の長きに及ぶ人質事件が軍の強行突入で終結したのは4月22日。きょうで20年になる。人質体験をふりかえる手記を改めて読み直した▼ゲリラは赤と白のマスクで顔を隠した男女14人。当初は銃やナイフで人質を威嚇した。だが籠城(ろうじょう)が長引くうち、態度がやわらぐ。公邸に毎日運びこまれる同じ弁当を食べ、日本のカップ麺や飲料に親しむ。現地局の流すNHKラジオ体操でともに体をほぐすようになった▼公邸では語学教室も開かれた。熱心なゲリラは、かな五十音の読みを覚え、将棋も指した。人質を「さん」付けする者もいる。ゲリラの少女は、人質に差し入れられた家族写真に見入り、気晴らしの合唱にも加わった▼「リマ症候群」。その年の秋、日本の警察白書に登場した新語を思い出す。寒村出身で学業をあきらめたゲリラたちが、閣僚や外交官、企業幹部らである人質に感化されたことを指す。強行突入の際、ゲリラが人質殺害をためらう結果につながったとの指摘もある▼いつどこで人質事件に巻き込まれるか、予測もつかぬ昨今である。万一の場合、ゲリラの少年少女に理を説く力が自分にあるだろうかと自問した。