名詞: の + 上で ・
動詞:原形
名詞: の + 後(で) ・
動詞:た形 上(で)
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♪ 会話 ♪
銀行:御融資の件ですが、私の一存では決め兼ねます。本店の審査を仰いだ上で、お返事を差し上げます。
社長:そこをなんとか・・・。私も今回ばかりは無理を承知の上で、お願いに伺っています。
銀行:本店とも相談はしてみますが、御期待にそえるかどうかは、ここでは何とも申し上げようがございません。
♯ 解説 ♭
「~上で」は二つの使い方があって、前が動詞で「原形」の時は「~する場合~」(方面・分野)を意味し、「た形」の時は「~た‐あとで」と同じ意味になります。ただし、前が名詞のときは文脈から理解するしかありません。
なお、「~た‐上で」は人の意志動作を強調するので、自然現象や状態発生には使えませんし、「~た‐上で/~た‐後で」は継続事態を表すときには使えません。例えば「~てから」「~た‐後で」「~た‐上で」を比較すると、以下のような違いがあります。
風呂に入ってから(・た後で/・た上で)、寝た。 <動作発生>
家に帰ってから(・た後で/×た上で)、雨が降り出した。<状態発生>
離婚してから(×た後で/×上で)、ずっと一人暮らしだ。<継続事態>
§ 例文 §
1.辞書は言葉を学習する上で欠かせないものだ。
2.形の上では夫婦でも、実際は家庭内別居というケースが増えている。
3.先の事件は、法律の上では犯罪にならなくても、道義的責任は免れない。
4.この問題は拙速な結論は避け、慎重に検討した上で(⇔後で)ということでいかがでしょうか。
5.採用か否かは面接の上(⇔後で)、決めることにする。
★ 例題 ★
1) 買う(か否か/や否や)は、実物を(見る/見た)上で決める。先ず品物を見せて(くれ/あげ)たまえ。
2) いかに酔っ(ている→ )とはいえ、あのような暴言は酒の上で( )過ちで済むこと(だ→ )。
(^^)前課の解答(^^)
1) これ(これほど≒ここまで)/なる(→文型253)/まして
2) すら(「さえ」も可)/だった/まして