15.指示語
15.1 品詞別と用法
15.2 コソアの違い
15.1 品詞別と用法 15.1.1 名詞の類 15.1.2 連体詞の類 15.1.3 副詞の類 15.1.4 複合形 [副助詞と]
「指示語」とはすなわち「こそあど」です。
教科書の第1課名詞文の例文の中には、「これ・それ・あれ・どれ」や「こ
の・その・あの・どの」が使われているものが非常に多くあります。これらの
ことばは、その初めの部分を取って「こそあど」とまとめて呼ばれます。
「指示詞」という場合もあります。指示[詞]と言っても、一つの品詞とはでき
ません。他の品詞を分けた分類基準と、「こそあど」をひとまとめにする基準
とは基本的な考え方が違うので、交差分類となってしまうからです。そこで、
この本では品詞の一つとはせず、シではなくゴとして「指示語」と呼ぶことに
します。
人と人がことばを使ってコミュニケーションする場合、話し手と聞き手がい
るその場面の中にあるものや人を話題にするのは、ごく自然なことです。です
から日本語教科書も、名詞文の例として「鯨は哺乳動物だ」とか「水は水素と
酸素の化合物である」などの文よりも、例に挙げてきた「これは~」とか「あ
なたは~」とか「あの人は~」のような文を出すのです。したがって、指示語
がよく使われることになります。
指示語の用法は大きく二種類に分けられます。一つは、話し手が場面の中に
あるものや人を指して「これ・この本・あの人」などと使う場合で、「現場指
示」と呼ぶことにします。日本語教科書の初めに出てくるのは、ほとんど現場
指示です。
次に、現場指示に対するのは「文脈指示」です。文章や話の流れの中で出て
来たことばを指して使う場合を、文脈指示と呼びます。文脈指示も日常の会話
で非常に多く使われるものです。
田中さんという女の人と、そのご主人が来ました。
この「その」は、まえの「田中さんという女の人」を受けています。今書い
た文の「この「その」は、・・・・」の「この」も文脈指示です。この本のような
説明の文章には、文脈指示の「コ」と「ソ」がたくさん使われます。(さて、
今の文の「この本の・・・・」はどちらの用法でしょうか。読んでいる人が手にし
ている本ですから、現場指示と言っていいのでしょうか。)
文脈指示の用法は、一つの文の中でよりも二つ以上の文にまたがって現れる
ことの多い用法です。
指示語の用法は、名詞として補語となったり、連体詞として連体修飾を、副
詞として連用修飾をしたりとさまざまです。
また、他の語句と結びついて複合した形で一つの指示語のように働く場合も
多くあります。
15.1 品詞別と用法
これ・それ・あれ・どれ 事物 (代)名詞
ここ・そこ・あそこ・どこ 場所 (代)名詞
こちら・そちら・あちら・どちら 方向 (代)名詞
この・その・あの・どの (指示) 連体詞
こんな・そんな・あんな・どんな 性状 連体詞
こう・そう・ああ・どう 様子 副詞
指示語の中で、以上の六つがまず基本的なものです。以下これらの用法を見
て行きますが、ここでは「こ・そ・あ」について述べます。「ど」については
「16. 疑問語・不定語」で扱うことにします。
15.1.1 名詞の類
まず、名詞を指す指示語として、「これ」「ここ」「こちら」の三つの形が
あります。(以下「こ-」の形を代表形とします)これらはそれぞれ[もの]
名詞、[ところ]名詞、[方向]名詞に属する指示語です。
普通名詞の意味による分類として重要なものに[ひと][とき]があります
が、それらのための特別な指示詞はありません。「この人」「この時」などの
形を使います。
逆に、「もの」「ところ」という名詞は特別な名詞で、「?このもの」とか
「?このところ」という言い方はふつうしません。そのかわりに「これ」「こ
こ」を使います。(「このところ」はなぜか「このごろ」と近い「時」の表現
になります)
その他の一般の[もの]名詞、[ところ]名詞は「この・・・」とも言えます。
方向の場合は、「こちら」とも「この方向」とも言えます。
これ/?このもの はあなたのですか。
これ/この本 はあなたの本ですか。
ここ/?このところ はどこですか。
ここ/この広場 は町の中心にあります。
こちら/この方向 が北ですか。
「これ」の類は、丁寧に言わなくてもいい状況では人を指すこともできます。
例えば、写真の人を指すときや、遠くの人を「あれ」で指したり、自分の目下
の者を「これ」で指す場合などです。
これは誰ですか。(写真を見ながら)
あれはうちの大学の学長です。
これが三浪でやっと大学に合格しましてね。(横の息子を指して)
初めの二つは、名前を言ったりしてある人を特定するときだけに使われます。
「こちら」の類も人を指すことができます。「この人」よりも丁寧な指し方
です。電話で自分を指すときにも「こちら」を使います。
こちらが留学生担当の方です。
こちらは田中ですが、中田さんはいらっしゃいますか。
自分を指すのに使えるわけですから、「こちら」は「この人」の「尊敬語」に
あたる言い方である、と言ってしまうのはよくないでしょう。はっきり指示せ
ずに、方向で示すという間接的な表現が「丁寧さ」を産むことになるのでしょ
う。「こちらの方」というと、もっと丁寧になります。
また、「こちら」の類は、二つまたは三つある物(人)の一つを指す言い方
としても使われます。
こちらは千円で、そちらは二千円(、あちらのは三千円)です。
次の形は「こちら」などの話しことばの形です。この形は、人を指す丁寧な
言い方には使えません。自分を指すことはできます。
こっち・そっち・あっち・どっち 方向 (代)名詞
以上の「指示代名詞」は「~のN」の形で連体修飾にも使えます。
これ(=この本)の表紙
ここ(=この国)の特産品
「ここ」の類は場所を示すだけでなく、その場所にある組織体を指すことが
できます。
ここの社長は有名な人です。(ここ=この会社)
ここのウナギはうまいよ。(ここ=食堂)
「これ」の類のもう一つ重要な用法は、[こと]名詞、つまり事柄を指し、
述語を含んだ名詞節や、さらには文を指し示すことです。
皿洗いもします。これがいちばんめんどうです。
生きるか、死ぬか、それが問題だ。
この用法は特に「連文」の重要な文法事項になります。
「-ら」をつけた「これら・それら」は複数の事柄・抽象的な物・グループ
などを指すときに使われます。連体修飾は「これらの」の形です。
血液型には、A・B・O・AB型がある。これらは・・・
これらの問題 それらの人々
15.1.2 連体詞の類
連体修飾のふたつの形は非常に性格が違います。「この」の形は指示機能そ
のもの(と名詞修飾の機能)があるだけですが、「こんな」のほうは「性質な
どが似ている同類のものを示す」という意味合いがあります。この点で、後で
出る「このような」と共通しています。
この辞書はいいですね。私もこんな辞書が欲しいです。
あの人とは一緒に行きません。
あんな人とは一緒に行きません。
「この辞書」の場合は指し示された辞書だけですが、「こんな辞書」とする
と「この辞書」に似た「いい辞書」であれば、別の辞書でもいいわけです。
また、次の「あの人・あんな人」の例からわかるように、「こんな」の類は
何らかの感情的な意味合いがつけ加わることも多いです。ふつうは、そのもの
を低くみることが多く、高く評価する場合は、そのような表現が必要です。
あんなすてきな人と一緒に行きたいです。
そのような評価の意味合いが特になく、単に「同類」のものを示すのは後で
「複合形」としてとりあげる「こういう」「このような」などです。
「この」の類、特に「その」は形式名詞と組合わさって次のような用法で使
われます。これらの一部は「14.形式名詞」でとりあげました。
そのつもり/はず だ
そのとおりに/そのとおりです
そのようだ
そのため(目的・理由) そのせい/おかげで(理由)
そのかわり そのわりに そのくせ
形式名詞ではありませんが、「その結果、~」のような用法もあります。
「わけ」は「×そのわけ」ではなくて「そんな/そういう わけで」となり
ます。
15.1.3 副詞の類
動作の様子を示す指示語として、初めにあげた六つの最後の「こう」の類が
あります。
体をこう曲げてください。
ああやったらだめですね。
発言・思考などの内容を表すのにも使われます。
彼女はどう言ったんですか。
彼女ははっきりこう言いました。「ダメです!」(文脈指示)
「そう」は用法の広いことばで、相手のことばなどを受けて、同じ内容を示
す「そうです」「そうします」という使い方があります。これは文脈指示の用
法です。
連体詞の「こんな」などの形に「に」がついて、「こんなに」という連用修
飾の形ができます。
こんなに・そんなに・あんなに・どんなに 程度 (副詞)
ナ形容詞から副詞が作られるのにちょっと似たところがあります。
こんな → こんなに
きれいな → きれいに (ナ形容詞)
程度の副詞と同じく、形容詞や様態の副詞、一部の動詞・名詞を修飾して、
その場面のものの様子を強調します。
こんなに きれいだ/美しい/すっきり描く/汚れている/美人だ
「そんなに」はちょっと特別で、「あまり」と似た否定的な言い方にもよく
使われます。この用法は「こんなに・あんなに」にはありません。
「重いですか」「そんなに重くないです」
この「そんなに」は特に何かを指しているわけではありません。(「それほど」
にも同じ用法があります。)
15.1.4 複合形
指示語には「こう」「この」に他の語句がついて作られる複合形があります。
こういう・そういう・ああいう・どういう
こういった・そういった・ああいった・どういった
このような・そのような・あのような・どのような
このように・そのように・あのように・どのように
こうして・そうして・(ああして)・どうして
以下のaとbの組み合わせ(例 こういうような、こんなふうに)
a こういう/こういった/こんな
b ような/ふうな/ように/ふうに/ぐあいに
「こういう」「このような」は「こんな」に近い用法で、そのものと同類の
ものを指します。「このような」のほうが、より改まった言い方で、書きこと
ば的です。
私もこういうパソコンが欲しいです。
このような問題が数多く存在します。
「そういう」は形式名詞「ことだ」とともに使われて、「そうです」と同じ
ような意味を表します。また、説明の「わけだ」とともにも使われます。
「これで、私の負けですか」「まあ、そういうことですね」
「結局、だめでしたか」「そういうわけです」
「このような」の類が連体修飾をするのに対して、「このように」の類は連
用修飾をします。これは「名詞句」のところで扱った「ような・ように」と同
じです。「このように」も書きことば的です。
使い方は、このようにして下さい。
私もあのように上手になりたいです。
「こうして」の類は「こう」+「する」で、動作の様子を表す以外の他の用
法に変化しています。「そうして」は短く「そして」という形になり、接続詞
として使われることのほうが多いでしょう。「どうして」は理由を聞く疑問語
になります。
[副助詞と]
指示語は程度・量を表す副助詞とともに使われることも多いです。
このぐらい・そのぐらい・あのぐらい・どのぐらい(-くらい)
これぐらい・それぐらい・あれぐらい・どれぐらい(-くらい)
これだけ・それだけ・あれだけ・どれだけ
これほど・それほど・あれほど・どれほど
これっぱかり・それっぱかり・あれっぱかり
「ぐらい(くらい)」には「この」も「これ」もつきますが、「だけ」「ほ
ど」には「これ」の類がつきます。
「これだけ」「これぐらい」には量を示す用法があります。
これだけ下さい。
と言うと、二つの意味があります。何か品物を一つとって、「他のは要りませ
ん」というのが一つ。もう一つの意味は、例えば、小さい物をたくさん手に取
って、「今、手に持っている分量全部」という意味です。この時は、「他の物」
についての否定的な含みはありません。以下で扱うのは後の場合だけです。
これぐらい下さい。
と言うと、手でだいたいの量を示して、それと同じぐらいの量、という意味に
なります。
形容詞などを修飾して程度を示す言い方としては、「-ぐらい」がいちばん
ふつうです。
この前釣った魚はこれ/このぐらい 大きかった。(手を広げて)
「これだけ」「これほど」などは、複文の従属節の中で使われるのがふつう
です。
これだけ/これほど 暑いと、何も考えられません。
これだけ/これほど 暑い夏ははじめてです。
(?これだけ/これほど 暑いです)
あれだけ言っても、彼はタバコをやめなかった。
(?あれだけ言った)
「これほど」は否定文なら単文でも使えます。
東京はこれほど暑くないです。
「それほど」は「そんなに」と同じように、「それ」が特に何かを指し示す
わけでもなく、程度が低いことを表す用法があります。
「東京の冬は寒いですか」「それほど寒くないです」
「これぐらい」は、従属節にも、主節にも使えます。
これぐらい/このぐらい 暑いと、何も考えられません。
バンコクはいつでも これぐらい/このぐらい 暑いですよ。
マニラの暑さはちょうどこれぐらいです。
「ばかり」にはふつうつきませんが、俗語的な用法として「-っぱかり」の
形があります。ただし「ど」の形はありません。
これっぱかりの金じゃあ、何にもできやしねえ。
俗語的なものをもう一つ。前に「この人」に当たる単独の指示語はないとい
うことを述べましたが、「こいつ」の類は物にも人にも使えます。
こいつ・そいつ・あいつ・どいつ 物・人 (代)名詞
こいつとは中学時代からの悪友ですよ。
あいつ(あの建物)が建ってから日当たりが悪くなってね。
こいつぁ春から縁起がいいわい。
15.2 コソアの違い
現場指示の場合の指すものの範囲は次のようになります。
コ:話し手に近い(話し手の領域と考えられる)もの
ソ:聞き手に近い(聞き手の領域と考えられる)もの
ア:どちらからも遠い(どちらの領域でもない)もの
ただし、話し手と聞き手が近く、一つの領域にいると見なされれば、
コ:近くのもの、ア:遠くのもの、という対立となり、その中間のあ
る部分がソ
となります。この距離感は物理的なものでなく、多分に心理的なものです。特
に、場所を示す「ここ」の類は後者の使われ方になりやすくなります。
[二人がある程度離れている場合]
1「これは何ですか」「それはキウィです」
2「そこからここまで5mぐらいでしょうか」(あなたのところから)
[二人が並んで立っている場合]
3「これはあなたのですか」「これは違います。私のはあれです」
4「(二人からちょっと離れた箱を見て)その箱は何ですか」「ああ、
それは古い本です」
5「(部屋の中で)トイレは、そこの階段を下りて左です」
6「(ビルの窓からすぐ下を指さして)その変な色の建物は何ですか」
「公衆トイレですよ」
6の例では、「この」でも「あの」でも成り立ちます。「すぐ近く」と見な
せば「この」で、二人から遠いと考えれば「あの」になります。
文脈指示の方はなかなか複雑なようです。基本的なところだけかんたんに述べ
ることにします。「ド」については「16. 疑問語・不定語」で述べます。
現場指示の基本は、
1 指示される物との関係で、話し手と聞き手が一つ所にいるとみなせ
ば、近くの物・所は「こ」、少しはなれた物・所は「そ」、遠くの
物・所は「あ」の指示語を使う
2 話し手と聞き手を分けてとらえれば、話し手の領域を「こ」、聞き
手の領域を「そ」、どちらの領域でもない場合は「あ」で指す
となります。文脈指示でも、基本は以上のとらえ方によります。
話し手が、自分で話に出した物事を自分に引きつけて指し示す場合、「こ」
で指すことができます。
私の後輩に佐藤という男がいます。この男は・・・
きのう駅前で交通事故がありました。この事故の原因は・・・
「こ」のもう一つの重要な用法は、後に述べる事柄を指し示す用法です。
彼女はこう言いました。「少し考えさせて下さい」
こういう/こんな 昔話を知っていますか。昔、あるところに、~
話に出た物事が聞き手の理解の中に位置づけられ、話し手と聞き手から同じ
ように少し離れた物事になったと(話し手が)みなせば、「そ」が使われます。
きのう、会社である人に紹介されました。その人は・・・
話し手が話に出した物事を、聞き手が取り上げて指し示す場合、「相手の領
域の物」とみなして「そ」を使うのがふつうです。
a.「私の後輩に佐藤という男がいます。この男ならできます」
「その人は数学に強いんですか」
b.「十年前、大学の卒業式でね、・・・」「その話は何度も聞いたよ」
ただし、相手の話を引き取って、自分のものとして話せば「こ」が使えます。
「私は「後悔先に立たず」ではなくて、「後悔後を絶たず」ですよ」
「なるほど、「後悔後を絶たず」ですか。これはいい言葉ですね」
ここで「それは」とするとまだ相手の言葉で、「これは」とすると自分の中で
定着して自分のものにした感じがします。
文脈指示で「あ」を使う場合は、お互いが前から知っている物事に関してで
す。つまり、現場指示でお互いから遠くに見える物を指すような気持ちです。
「雑誌に今村さんの論文が出ていましたよ」「あの人は今何をして
いるんでしょうね」
相手が知らない物事についても「あ」を使えることがあります。これは、話
し手が回想の気持ちなどを強く持って指し示す場合です。
おまえの生まれる前、私たちは横浜に住んでいた。あの頃は生活が
苦しかった。
私が小さい頃、ある男の人がよく家に来て両親と話をしていた。あ
の人はいったい誰だったんだろう。
.......................
回想?
きのう、友達が新しいげーむを持っていた。僕もあんなのが欲しい。
×そんなの あれが欲しい
さっき、おもちゃ屋でそれを売っていたので買った。
昨日、飲み屋の前でけんかをしたんだ。あの時落としたらしい。
○その時 時の特殊性か。
その男は
参考文献
金水敏・木村英樹・田窪行則 1989『セルフマスターシリーズ4 指示詞』くろしお出版
金水敏・田窪行則 編 1992『日本語研究資料集 指示詞』ひつじ書房
あずまひろこ1987「かわりゆくコソアド」『言語生活』2月号筑摩書房
庵功雄1995「コノとソノ」宮島他編『類義下』くろしお出版
庵功雄1995「ソノNとソレ」宮島他編『類義下』くろしお出版
井本亮2000「否定と共起した[指示詞+ほど]の用法について」『筑波日本語研究』5
岡部寛1995「コンナ類とコウイウ類」宮島他編『類義下』くろしお出版
近藤泰弘 「レ系指示詞の意味論的性格」
宋晩翼1991「日本語教育のための日韓指示詞の対照研究」『日本語教育』75
高橋美奈子1996「修飾節中にコ系指示詞を持つ名詞修飾表現について」『現代日本語研究』3大阪大学
銅直信子 1998「談話参加者の情報量と指示詞」『日本語教育』96
林四郎1972「指示連体詞「この」「その」の働きと前後関係」『電子計算機による国語研究4』国立国語研究所
福原みどり1988「コノ人、ソノ人、アノ人、彼、彼女」『日本語教育』66
福原みどり1991「コソアについて」『日本語教育』76
迫田久美子1996「指示詞コ・ソ・アに関する中間言語の形成過程-対話調査による縦断的研究に基づいて-」『日本語教育』89