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20120112 公衆世代

来源:朝日新闻 作者:日语港 时间:2012-03-06 阅读:2997

 誘拐サスペンスの名作に、黒澤明監督の「天国と地獄」がある。身代金の指図をするため、犯人が会社役員宅に電話を入れる。硬貨の投入音、続いて「昼日中(ひなか)にカーテン閉め切って何やってんだ」。録音を聞いた刑事たちは、高台の豪邸を見通せる電話ボックスを絞り込み、包囲網を狭めていく▼モノクロで描かれる知恵比べは、携帯電話では成立しない。昭和の昔、戸外の通信手段といえば数に限りのある公衆電話である。私事になるが、合否の報告も、上司からの怒声も「公衆」だった▼1960年代の普及期に出た『赤電話・青電話』(金光昭著)に大意こんな一節がある。「赤電話は用事があって探したものだが、昨今は赤電話を見ると用事を思い出す」。思いつきの用件やおしゃべりは、携帯メールが引き継いだ▼個人端末があまねく行き渡り、人の数だけ電話が歩いているような世である。あらゆる喜怒哀楽に介在し、85年に93万台を超えた公衆電話は4分の1に減った。店先の赤はとうに消え、なじみの緑も間引きが急だ▼しかし公衆電話には、災害時につながりやすい利点があるらしい。携帯サービスがダウンした大震災では、帰宅難民が並んだ。そこでNTTは、春から設置場所をホームページで知らせるという▼ウオーキングや散歩好きのために、公衆トイレを記した地図はよく見る。同様の駆け込み寺として、街角の電話たちが頼もしく見えてくる。古いやつにも使い道はあるんだと、公衆世代はつぶやいてみる。

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