首页 资料下载 天声人语 (天声人語)折々の詩人の旅立ち 2017年4月6日

(天声人語)折々の詩人の旅立ち 2017年4月6日

来源:日语港 作者:日语港 时间:2017-12-04 阅读:2221

 (天声人語)折々の詩人の旅立ち

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 「あの欄のない朝日の1面は寂しい」「時々でよいから掲載を」。10年前の春、「折々のうた」の連載終了を惜しむ方々から多くのお手紙をいただいた。「朝は『天声人語』よりも『折々』から読み始める」という声も多く、当欄筆者を悔しがらせた▼1979年から中断をはさみつつ長寿連載を書き続けた大岡信さんが亡くなっログイン前の続きた。取り上げる詩歌の蓄積は連載1年目で尽きた。以後は作品選びの綱渡りが続いたという▼静岡県三島市生まれ。東京大を出て読売新聞社へ。パリ特派員の辞令が出た直後に社を去った。記者と詩人の二足のわらじが限界に達しつつあった。読売にとどまっていたら、16年後に「折々」は実現しなかったかもしれない。そう思うと、幼子を抱えた32歳の決断には感謝するほかない▼柿本人麻呂、藤原定家、松尾芭蕉――。先人の名を挙げて「すぐれた詩人は実作者、評論家、編集者の一人三役を兼ねる。私も彼らを目標にしてきた」と語った▼今月初め、親しい人々と自宅で花見を楽しんだ。車椅子でだんらんの輪に加わり、まなざしと涙で会話した。食卓の黒豆は、敗戦後に復員した北海道の農家が「詩に励まされた」と、何十年も送り続けてくれたものという▼〈おおおかぁ/早すぎるとはもう思わない/でもおれたち二人の肉だんごもいつかは/おとなしくことばと活字に化してしまうのかな〉。親友谷川俊太郎さん(85)が2年前に贈った詩である。闘病の果てに豊穣な「ことばと活字」が残された。

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