首页 资料下载 天声人语 20120118 東京の乾燥注意報

20120118 東京の乾燥注意報

来源:朝日新闻 作者:日语港 时间:2012-03-06 阅读:3022

 季節外れをお許し願い、幸田文(こうだ・あや)の随筆を引く。「多少の歩きにくさや、袖裾(そですそ)のよごれなどはあるにしても、一年に一度の、梅雨(ばいう)期という大きなうるおいの中に、ずっぷりと身を漬けたいという気になる」▼「青さも潤沢、水も潤沢な六月の旅が私は好き」とつづった和装の雨は、読むだけで心が潤う。そうでもしたいほど、首都圏はカラカラだ。東京の乾燥注意報は33日連続、きょうもなら観測史上の3位に並ぶという。「ずっぷり」なんて欲はかくまい。ぱらりとでも一雨ほしい▼街路樹の枝に残る葉を軍手でもむと、たちまち茶色の粉になった。「東京砂漠」の歌が浮かぶ。これまた記録的な雪に覆われた日本海側、北海道の皆さんには悪いが、乾けば乾いたで不都合が多い▼乾と寒の取り合わせは、火事にインフルエンザ、のどの痛み、肌荒れの災いを呼ぶ。暖房の屋内はなお乾き、お年寄りは脱水症状がこわい。パソコンの敵、静電気も飛ぶ▼気象庁によると、1月の東京の平均湿度は、21世紀の最初の10年間で45%だった。前世紀の同じ期間は66%だから、乾いたものだ。雑木林や田畑を潰し、地面をコンクリとアスファルトで固めた報いだろう。温暖化と同じく、不都合の多くは身から出たさびである▼今週末、太平洋側にもお湿りの予報が出ている。枕詞(まくらことば)は「恵みの」でも、それに続くのは「にわか雨」かもしれない。せいぜい心まで干からびぬよう、のどが喜ぶミルクティーでもすすり、気長に冬型の崩れを待つとする。

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